一般的に、業界外の方や業界未経験の方にとって、システムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)への認知基準はバラバラです。同一視されることもありますし、別職種だと捉えられている場合もあります。そのため今回は、システムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)の違いについて、一般的に捉えられている事実的な視点に加えて、当社が考えるシステムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)の違いの有無について解説してきます。
システムエンジニア(SE）とプログラマー(PG）の業務的な違いについて
システムエンジニア(SE)の業務
システムエンジニア（SE）は、主にシステムの設計やクライアントとの調整を担当します。クライアントの要望をヒアリングし、それを基にシステムの仕様を決定する「要件定義」や「システム設計」を行います。また、完成したシステムが設計通りに動作するかを確認する「テスト」や、納品に関わる業務を担うこともあります。
プログラマー(PG)の業務
プログラマー（PG）は、システムエンジニア(SE)が作成した設計書に基づき、詳細設計とプログラミングを行います。システム開発の「下流工程」を担当し、仕様に沿った動作を実現するためのコードを書きます。設計書には基本的な情報が記載されていますが、効率的な処理を実装するためにはプログラミングスキルが重要となります。
また、プログラムの単体テストを行い、システム全体の安定性を保つ役割も担っています。
開発の流れと役割の違い
システム開発の流れは一般的に以下のような工程で進みます。
１：要件定義（クライアントの要望を整理し、仕様を決定）
２：システム設計（設計書を作成し、システムの構造を決める）
３：システム開発（詳細設計、プログラミング）
４：テスト（動作確認、バグ修正）
５：納品（クライアントへの提供）
システムエンジニア(SE)は「要件定義」や「システム設計」などの「上流工程」を担当し、クライアントとの折衝や最終的なテスト・納品を行うこともあります。一方、プログラマー(PG)は「下流工程」を主に担当し、システムエンジニア(SE)が作成した設計書を基にプログラミングやテストを行います。
当社として捉えている業務的な違いの有無
[職種区分]で見たときは、一般的には上記した通りです。この部分に、当社が考える視点を付け加えますと、例えばエンジニアAさんはシステムエンジニア(SE)だからこの工程を。エンジニアBさんはプログラマー(PG)だから、ここまでの範囲で。といったような職種的な区分の付け方をしていません。
ゆえに、経験値の浅い若手エンジニアであっても上流工程からアサインされることもありますし、逆に上流工程の経験が豊富なベテランエンジニアも詳細設計や実装テストを行います。
むしろ、“全員がコーディングできる”というところを目指しているのもあって、当社の社内的にはシステムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)を職種、あるいは業務の役割的区分として捉えていません。
お客様や協力先企業の方との会話の中で、経験レベルを表現する際に、システムエンジニア(SE)レベル、プログラマー(PG)レベルと表現することはありますが、こちらも役割で職種表現しているというよりも、個々の業務品質を鑑みて表現しています。
そのため、学生や求職者の方がITエンジニアに興味を持たれた際に、自分はシステムエンジニア(SE)が良いのか、それともプログラマー(PG)が良いのかなど、どちらか一方を意識するようなことは不要でないかと考えています。
システムエンジニア(SE）とプログラマー(PG）のスキル的な違いについて
システムエンジニア(SE)に求められるスキル例
1. ヒアリング・提案力
クライアントの要望を的確に理解し、最適なシステムを提案する能力が求められます。ITやシステムに関する深い知識も必要です。
2. コミュニケーション能力
チームで作業することが多いため、適切に情報共有を行うスキルが不可欠です。要件を的確に伝えることで、開発のスムーズな進行につながります。
3. マネジメントスキル
プロジェクトの進行管理やチームメンバーへの指示、品質管理などを行うため、マネジメント能力も重要です。
4. 論理的思考力
システム開発では複雑な問題を論理的に整理し、適切な解決策を導き出す力が求められます。
プログラマー(PG)に求められるスキル例
1. 論理的思考力
仕様書に基づいてシステムを実装するため、論理的に考えながらコードを記述する力が求められます。
2. コミュニケーション能力
クライアントと直接やり取りする機会は少ないものの、他のエンジニアと協力して開発を進めるため、適切な意思疎通が必要です。
3. プログラミングスキル
プログラミング言語を用いてシステムを開発するため、プログラミングの知識とスキルが不可欠です。効率的なコードを書くことで、システムの安定性や保守性を向上させることができます。
当社として捉えているスキル的な違いの有無
一般的によく表現されるステップアップとして、プログラマー(PG)として経験を積み、システムエンジニア(SE)になる。という成り立ち方も間違いではありません。ですが、この視点で見てしまうと、プログラマー(PG)＝経験の未熟な人、システムエンジニア(SE)＝経験のある人というバイアスがかかった認識になりがちですが、これは“必ずしもそういうケースばかりではない“というのを伝えておきたいです。また、それぞれ求められるスキルに違いがあるといえど、”共通項して必要な考え方”があります。
プロジェクトは全体で関わっていくことですので、たとえばシステムエンジニア(SE)であってもは実装テストのことまで考えた設計をすることや、プログラマー(PG)は設計者の意図を汲み取ったコーディングをするなど、どちらも“お互いのことを考えたパフォーマンスをすること“が大切です。なぜなら、私たちはクライアントワークですから、お客様に対してはもちろん、一緒に働くメンバーに対しても”他者思考のスタンスで関わる姿勢“が求められるのではないかと思います。
システムエンジニア(SE）とプログラマー(PG）のキャリアパスの違い
システムエンジニア(SE)のキャリアパス
システムエンジニア(SE)は技術的なスキルだけでなく、クライアントの要望を的確に反映する能力が重要視されますし、プロジェクトの進行管理やコスト交渉などのスキルが求められる場面もあります。また、経験を積んでいく中で、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー（PM）としてキャリアアップするケースが多いです。プロジェクトマネジメントの国際資格「PMP」を取得すれば、スキルの証明にもなり、より高いポジションを目指すことができます。
プログラマー(PG)のキャリアパス
プログラマー(PG)としてキャリアを積むには、プログラミング技術の向上が欠かせません。しかし、それだけではなく、システムの設計やクライアントの要件を理解するスキルも重要です。また、特化した知識を身につけることで、特定分野のプロフェッショナルエンジニアとして活躍できます。SEへのステップアップを目指す場合、システム設計や要件定義の経験を積んだり、クライアントとの折衝スキルが求められます。
当社として捉えているキャリアパスへの視点
どちらも将来性が高く、幅広いキャリアパスがあると考えています。ここでも当社は、システムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)で区分した表現はしないというのが結論です。
ルートは人それぞれですから、プログラミングが好きすぎてスペシャリストを目指す人もいますし、全員がマネージャーを目指さないといけないわけでもありません。採用担当や営業などにジョブチェンジしていくエンジニアもいます。
ただ、キャリアを積み上げていく上で、「それが本当に好きか(向いているか)どうかは、経験していかないとわからない」という当社の考え方があります。そのため、食わず嫌いをするよりも先入観を捨ててチャレンジしてみよう！という意識のもと、さまざまな経験を積んでもらい、その中でやりたい方向を導き出していってもらいたいなと思っています。
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